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地理歴史科

地理歴史科 ESD探究プログラム

 6月末に3年生の地理歴史の授業でESD探究プログラム(UCCホールディング株式会社が実践されている取組)「人と世界を結ぶコーヒーのものがたり」を実施しました。生徒たちも日常でよく見かけるコーヒーですが,コーヒー豆の栽培の難しさや,安定したコーヒーの生産に向けて生産国と消費国が協働で行っている具体的な取組例については,このプログラムを受講して初めて知ることができました。映像視聴やコーヒーの生豆を手に取ってみたことで,自分たちが日頃消費しているコーヒーについての関心を高めるとともに,プログラムの終わりにはコーヒーの例を参考にしながら,「持続可能な発展」について自分たちが実際に取り組めることを考えて意見を出し合いました。

 学校での日頃の授業に加えて他の団体の取組例なども学習に取り入れることで,生徒たちも関心を持ちやすく,理解を深めることができます。こうした学びの機会を今後も増やしたいと思います。

 

生徒の感想より一部抜粋

・コーヒーの品質コンテストを行うことで、生産国にも消費国にもメリットがあると思った。生産国は優勝すれば高い値段でコーヒーを売ることや、賞金で新しい土地を手に入れることができ、消費国からすると安全でおいしいコーヒーを飲むことができる。持続可能な発展を実現するためにも、私たちにもできるフェアトレード商品を買ったり、正しい知識を身につけたりしたい。

・コーヒー豆の栽培が思っていた以上に何倍も手間と時間がかけられていることや、自然環境に配慮して限られた資源を活用しているのを知って、多くの人が普段当たり前に飲んでいるコーヒーですが、その当たり前の尊さを感じました。次世代のことも考えて生産されているコーヒーが、会ったことも見たこともない私たちをつないでいるのが素敵だと思いました。

・適切な値段設定ができている商品とそうでない商品を見極めるにはどうしたらよいのかを知りたい。まだ労働環境が整っていない所に対して私たちができることは何かを考えたい。

 

初めて見る緑っぽいコーヒーの生豆に興味津々 

   

 

「持続可能な発展」に自分たちは何ができる?

 

地理歴史科 国土交通省国土地理院オンライン出前講座

 去る11月22日、本校の3年生全員を対象に国土交通省国土地理院広報広聴室の方々によるオンライン出前講座が開催されました。本校では昨年度までの4年間、「地理総合」「歴史総合」の教育課程研究指定校事業に関わってきたことから、今年度も「地理的な見方・考え方」「歴史的な見方・考え方」を意識した教材の開発と授業づくりに取り組んでいます。そしてこの度、国土地理院の方々のご協力のもと、地図を活用して地理と歴史を融合させた特別講座が実現しました。

 2部構成で、第1部では「地図作成の歴史」、第2部では「地図ができるまで」の講義をしていただきました。第1部では紀元前から現在までの地図の変遷を辿りながら、どの時代にも通じる伝達手段としての地図の奥深さを学びました。第2部では用途に応じた多様な地図の作成や活用方法を学びました。日頃何気なく見ている地図に込められたたくさんの情報に生徒たちは興味津々で、特に学校周辺の特徴を複数の地図を用いて知ることができ、地図を身近に感じる良い機会となりました。

 地図情報は防災情報をはじめ、私たちの暮らしを支えてくれます。この講座で学んだことを今後の生活に活かしてもらいたいです。国土地理院広報広聴室の皆様、貴重な経験をさせてくださり、ありがとうございました。

地理歴史科 令和3年度教育課程研究指定校事業 成果報告

 本校の地理歴史科が文部科学省から指定を受けて4年間取り組んできた教育課程研究指定校事業が本年度で終了します。この4年間,文部科学省,鳴門教育大学,徳島県教育委員会の先生方をはじめ,多くの関係者の方々に支えられて実践を行うことができました。また全国の先生方に授業をご参観いただいて貴重なご意見をいただくことができました。

 今年度の実践による成果報告を書面でご報告させていただきます。次年度から始まる「地理総合」「歴史総合」の参考になれば幸いです。

 貴重な機会をいただき,ありがとうございました。

令和3年度最終成果報告書(徳島県立脇町高等学校).pdf

地理歴史科教育課程研究指定校事業 研究協議会 報告

 去る2月4日(金),文部科学省からの指定を受けて4年間取り組んできた教育課程研究指定校事業地理歴史科の研究協議会がオンラインにて開催されました。

 「地理総合」「歴史総合」に向けた取組と地理・歴史の枠組みを超えた取組の実践例,本事業4年間の歩み,生徒及び教職員アンケート結果,次年度以降の展望 について報告しました。

 研究協議会では日本各地の先生方からご参加をいただきました。本年度の実践に加え,4年間継続して取り組んできた「問いの立て方」,「単元構想の作り方」,「生徒や地域の現状に合わせた授業づくり」,「教科会」についてもお伝えすることができました。次年度から始まる「地理総合」「歴史総合」の授業づくりに役立てていただければ幸いです。

 文部科学省から藤野敦氏,中嶋則夫氏,空健太氏,これまで担当してくださった濵野清氏,大森淳子氏,鳴門教育大学から梅津正美氏,伊藤直之氏,徳島県教育委員会から西岡昌子氏,これまで担当してくださった藤川美和氏,寒川由美氏のご指導をいただき,本事業を4年間継続して行うことができました。また地域の方々や外部機関のご協力もいただいたことで,生徒の学習環境を整えることができました。そして本校生徒の真摯に取り組む姿勢が,実践をより充実したものにしてくれました。

 たくさんの方々の協力に厚くお礼を申し上げます。今年度の実践をまとめた最終報告書を年度末に作成し,本校HPにも掲載する予定ですので,そちらもぜひご覧ください。

【1.25最新】地理歴史科教育課程研究指定校事業 研究協議会の資料掲載

 本校の地理歴史科が文部科学省からの指定を受けて4年間取り組んできた教育課程研究指定校事業が最終段階を迎えます。

 本年度の実践また4年間の取組の総括を,来る2月4日(金)に開催される「教育課程研究指定校事業 研究協議会」にて報告させていただきます。本校の発表時間は14:30~15:00 その後に質疑応答等が行われます。

 当日の説明に使用する資料【スライド,指導案(「地理B」「日本史A」),授業で用いたワークシート3種類】を事前に掲載させていただきました。研究報告会にご参加くださる皆様は,こちらの資料をご参照ください。

 多くの方々に支えていただき,4年間の本事業を終えることができました。ありがとうございました。研究協議会にて本事業の取組を皆様にお伝えしたいと思います。ご指導のほど,よろしくお願いいたします。

<資料訂正のお知らせ>

1/24に掲載したデータ(発表用のスライドです),学習指導案(日本史A,地理B)に訂正があります。【1.25掲載】とタイトルを付け直した資料を当日の発表で使用しますので,こちらをお使いください。

【1.25掲載】R3掲載用データ公36徳島県脇町高等学校地理歴史4午後.pdf

【1.25掲載】地理歴史科(日本史A)学習指導案.pdf

【1.25掲載】地理歴史科(地理B)学習指導案.pdf

R3 Ⅱ-3(1)「歴史総合」に向けた取組 第7時ワークシート.pdf

R3 Ⅱ-3(2)「地理総合」に向けた取組 第6時ワークシート.pdf

R3 Ⅱ-3(3)地理・歴史の枠組みを超えた取組 導入ワークシート.pdf

 

地理歴史科教育課程研究指定校事業 2学期の授業実践報告

 地理歴史科は文部科学省から指定を受けて教育課程研究指定校事業に取り組んでいます。2学期も次年度から始まる「地理総合」「歴史総合」を見据えた様々な授業を実践してきました。主な取組を報告します。

 

①「歴史総合」を見据えた授業 新課程大項目B(3)近代化と私たち をもとに作成した単元(8時間構成)

 9/22 オンラインによる第7時の研究授業(文部科学省の先生方をはじめ,申込みをいただいた全国の先生方にご参観いただきました)

 今年度は3年生地歴A科目の授業で「近代化と私たち―国民国家の形成―」と題した単元の授業を,1,2学期をかけて実践してきました。9/22の研究授業では,第6時までの学習+自分たちの研究に基づいて「国民国家形成の理由」を各グループが発表しました。発表を通じてさらに広い視野で「国民国家とは何か」,「自分たちの現在の生活にどうつながるか」を考えることができました。

 

②「歴史総合」を見据えた授業 身近な資料に触れ,意欲的に読解する 校誌『芳越』の読み取り

 11月の3年生地歴A科目の授業で,大正期の本校の校誌『芳越』を読みました。約100年前の自分たちの直接の先輩が当時の社会をどのように捉えていたのかを知ることができました。「共感」「違和感」を感じながら,少々難しい表記に苦しみつつも,楽しみながら読むことができました。

 

③「歴史」「地理」の枠組みを超えた地理歴史融合型授業  その1 

  10/19 校内研究授業 新課程大項目A「歴史の扉」に基づく単元

 1,2学期をかけて2年生日本史Bの授業では,「歴史の扉を開けよう」(昨年の2年生も実施)と題して,藍を軸にした徳島の歴史についての研究を行いました。今年度は地歴融合の観点を強めて,古地図や文献資料はもちろんのこと,国土地理院の地図や今昔マップ等,地理の学習で用いられるデジタルデータも活用して学習を進めました。資料を皆で分担しながら読み取り,複数の情報を共有し,地理と歴史の結びつきを改めて体感できました。

 

④「歴史」「地理」の枠組みを超えた地理歴史融合型授業  その2

 11月の3年生地歴A科目の授業で,インダス文明について学習しました。「地形」「気候」「他地域とのつながり」「自分たちの生活のつながり」など,時空間を超えて様々な視点から捉えることができました。この授業は,校内遠隔授業で行いました。地理担当の松岡先生がインダス文明の歴史の授業を各クラスに配信し,他の地歴科教員がサポートとして各クラスに入りました。途中で画面や音声が途切れるアクシデントもありましたが,臨機応変に対応して無事に授業を実施できました。

 

⑤「地理総合」を見据えた授業 新課程大項目A 地図や地理情報システムで捉える現代社会 をもとに作成した単元(8時間構成)

 12/16 第6時の研究授業(文部科学省の先生方にご参観いただきました)

 2学期から2年生地理Bの授業で実に多数の地図や地理情報システムを活用した授業を実践しています。研究授業では,「グローカルって何だろう」というテーマで新型コロナウィルス感染拡大を人流という視点から捉え,リアルタイムの人の移動を画面上で確認して情報を読み取り,感染拡大との関連性について考察しました。

 

 2/4にオンライン開催される教育課程研究指定校事業研究協議会では今年度の取組,そして本事業に関わらせていただいた4年間の歩みを報告します。当日用いる資料は事前に本校HPにて掲載しますので,ご覧ください。

 今年度も文部科学省,鳴門教育大学,徳島県教育委員会の先生方をはじめ,多くの関係者の方々に支えられて実践を行うことができています。3学期も新課程の教育活動を見据えた主体的な学習を実践していきますので,引き続きご協力をよろしくお願いします。

 

授業の様子

   

 

 

 

 

 

 

 

「歴史総合」及び「地理総合」を見据えた授業の実践報告②

引き続き,公開授業の実施について掲載します。教科は同じ地歴でも,指導する教員が入れ替われば,それぞれの専門分野を活かした授業が行われ,生徒たちも新たな視点や興味関心をもつことができます。今後より学びが深まることを期待しています。

「地理総合」を見据えた「世界史A」では,地理的な見方・考え方を取り入れた授業が行われました。初めて受ける地理歴史融合型の授業に生徒たちも興味津々でした。

6月23日の公開授業(地理歴史融合型)の様子


 

「歴史総合」及び「地理総合」を見据えた授業の実践報告①

本校地理歴史科は6月を教育課程研究指定校事業授業実践月間とし,3年生全生徒を対象とした「歴史総合」を見据えた地歴A科目,及び「地理総合」を見据えた地歴A科目の両方を実施しました。通常の授業担当者に加えて,地理・世界史・日本史の各専門の教員も関わって複数の教員で授業を実践することで,授業を受ける生徒も授業を行う教員も,地歴各科目の「見方・考え方」を広げることができました。

本校では毎年6月に校内授業研究会,授業公開週間を実施しています。これを活用して多くの先生方に地理歴史科各教員の授業を参観していただき,本事業について知っていただくことができました。

2学期も本事業の実践は続きます。9月22日(水)には教育課程研究指定校事業の研究授業が行われます。新科目「歴史総合」大項目B 近代化と私たち(3)国民国家と明治維新(全8回)のまとめの授業を実践する予定です。

6月16日の校内授業研究会の様子

「歴史総合」を見据えた授業 単元の第3時を行いました。

 

少人数かつ短い時間での意見交換です。

地理歴史科以外の先生方を交えた研究協議を行いました。

令和3年度 地理歴史科教育課程研究指定校事業  に関する実施計画

文部科学省から指定を受けて本校が取り組んでいる教育課程研究指定校事業(地理歴史科)は本年度で4年目を迎えます。本事業の集大成の年となります。過去3年間の取り組みを踏まえ,本年度の実践研究の重点目標を「地理歴史科の科目相互の連携を一層進めつつ,「深い学び」を促す授業研究」「指導と評価の一体化をめざす評価方法の研究」に定めました。本年度の実施計画書を添付しておりますのでご覧ください。

 

令和3年度 徳島県立脇町高等学校 実施計画書.docx

令和2年度教育課程研究指定校事業報告

 今年度の教育課程研究指定校事業(地理歴史科)の研究成果と課題について報告をさせていただきます。今年度は研究目標に「単元を貫く問い」「科目相互の連携」「ワークシートの工夫」「指導と評価の一体化」「『地理総合』『歴史総合』を見据えた授業改善」を掲げて授業づくりと改善に取り組みました。活動が制限されるなかでの授業実践でしたが,工夫をすることで科目相互の連携や他教科・外部機関との連携,資料読解や表現力を見取るワークシートの作成など,目標達成に向けて教員間で話し合いを重ねながら実践できました。

 次年度は本指定事業の最終の年となります。評価の仕方など今年度新たに見つかった課題等を踏まえて実践を進めたいと考えています。今年度の具体的な実践報告については添付資料をご覧ください。

令和2年度最終成果報告書(徳島県立脇町高等学校).pdf

地理歴史科 教育課程研究指定校事業研究協議会の報告

  去る2月2日(火)に脇町高校が本年度に取り組んだ教育課程研究指定校事業の授業実践報告をオンラインで行いました。文部科学省から二井調査官,大森調査官,中島調査官,藤野視学官,徳島県教育委員会から寒川指導主事,全国の指導主事,小・中・高の教員,大学教員など約50名の先生方に参加していただきました。

 30分程度の報告後に,参加者の皆様からたくさんの質問をいただきました。時間の都合上,「地理歴史科の協力体制」,「フィールドワーク実施の手順やゲストティーチャー選定方法」,「ワークシートを活用した学習改善につなげる評価の方法」,「資料読解に難しさを感じる生徒の様子や授業者の対応」の4点に絞った返答になりました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。

 次年度は本事業の集大成の年となります。今年度の実践から見えてきた課題である「思考の変容が見て取れるワークシートの作成」,本日の講評でご指摘をいただいた「指導と評価の一体化を目指す単元構想」,「評価の構造化」を取組の目標として,一層の授業改善に努めたいと考えています。

 貴重な機会をくださり,ありがとうございました。

地理歴史科 教育課程研究指定校事業研究協議会のご案内

今年度に脇町高校が実践してきた教育課程研究指定校事業の授業実践について,オンラインにてご報告をさせていただきます。当日の発表スライドをHPにて事前にアップいたしますので,ご覧ください。 

日時:令和3年2月2日 14:40~16:20(脇町高校の発表時間)

令和2年度国立教育政策研究所教育課程研究指定校事業研究協議会 発表スライド.pdf

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野③)

 今年度の教育課程研究指定校事業  地理歴史科(歴史分野)で設定した単元「歴史の扉を開けよう」(全5時間)の第三~五時の授業について,本校の2年生日本史Bでの実践を報告させていただきます。

本単元【基軸となる問い】「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」

  第三時の授業【本時の問い】「史資料に触れよう」

  第四時の授業【本時の問い】「情報を共有しよう」

  第五時の授業【本時の問い】「「問い」への「答え」を出そう」

 第三~五時の授業は夏季休業中~9月にかけて実施しました。2年生での実践にあたり,高校で地歴を習い始めてまだ間もないことも考慮して,探す史資料のテーマを5つに絞ることにしました。5つのテーマを役割分担し,「個人による史資料読解,レポート作成」(第三時)→「同じテーマを調べた者同士での共有,グループとしてのレポート作成」(第四時)→「出揃った5つのテーマのレポートを踏まえて,徳島の変化について自分でまとめる」(第五時)という手順で学習しました。

<5つのテーマ>

①17~19世紀(江戸~明治前半)の徳島の「藍」のことが分かる史資料

 A 江戸時代,誰が何のために藍を作らせたのか?

 B 徳島(の一部のみ?)では,なぜ藍づくりが可能なのか?

 C 藍はどのように,どうやって運ばれたのか?

②19世紀末以降(明治時代後半以降)の日本や世界と,徳島の関係について分かる史資料

 A 明治時代になると,藍をめぐって徳島のライバルが出現!?

 B 明治時代になると,物流の仕組みが変わる?

 史資料読解に際しては,本校図書室の図書に加えて,徳島県立図書館の図書もお借りすることができ,約50冊の図書を活用できました。またインターネットを活用してデジタルアーカイブや大学教授の論文なども参考にして思考を深めました。

「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」という壮大な問いに対して,史資料を提供してくださった方々,一緒に研究を進めた級友,そして生徒自身の力が合わさることで,生徒たちはその「答え」を自分なりに理解できたようです。歴史は遠い過去のものではなく今の自分たちにつながっているものである,ということをこの単元学習から実感できたのではないでしょうか。まずは自分の身近にある歴史から,興味をもって学んでみましょう。

 通常の授業の中でも教科書等に掲載されている多様な史資料の読解に生徒は熱心に取り組んでいます。3学期も「なぜ?」と疑問を持ち,史資料から考え,思考し表現する機会をたくさん持って歴史を学んでくれることを期待しています。

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(地理分野②)

 11月6日(金),文部科学省から指定を受けて本校が3年前から取り組んでいる教育課程研究指定校事業(地理歴史科)の一環で地理総合を見据えた地理B(2年生)の校内授業研究会(出前授業)を行いました。担当教員が新科目「地理総合」に即した単元構想を作成し,実践を行っています。今回は地元の世界農業遺産を教材化し,授業づくりを進めてきました。授業づくりに際しては,鳴門教育大学准教授伊藤直之先生や神戸大学附属中等教育学校の高木優先生にも多くのご指導をいただきました。今回の授業は,生徒たちが事前に地元の世界農業遺産について調べ,ゲストティーチャーを招いて実際の話を聞くといったものでした。当日は,地元でつくられたもの(鹿肉ソーセージ・干し芋)の試食などもあり,生徒は現地の生活を肌で感じながら話を聞くことができました。今後もこのような機会を積極的に設け,新必履修科目「地理総合」の各単元構想や授業づくりに臨みたいと思います。 

【「地理総合」を見据えた地理Bの授業実践】

11月6日(金)3限目 24・25HR地理選択者(28名)

         4限目 23HR地理選択者(17名)

単元名 「世界農業遺産にし阿波地域の持続可能な地域づくりを考えよう」 

ゲストティーチャー:つるぎ町役場    大島様

          徳島県西部県民局  豊永様

          民宿うり坊経営者  木下様

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(地理分野①)

 9月12日(土),文部科学省・教育課程研究指定校事業(地理歴史科)の一環で地理総合を見据えた地理B(2年生)のフィールドワークを行いました。担当教員が、新科目「地理総合」に即した単元構想を作成し、実践を行っています。今回は、地元の世界農業遺産を教材化し、授業づくりを進めてきました。本来であれば、地理選択者全員によるフィールドワークを計画していましたが、コロナ禍の影響で、代表生徒のみの調査になりました。この日フィールドワークを行った生徒に、後日の授業の中でファシリテーターを担当してもらう予定です。

【フィールドワーク】

単元名 「世界農業遺産にし阿波地域の持続可能な地域づくりを考えよう」

場所:徳島県三好郡東みよし町内野地区(世界農業遺産にし阿波地域)

 「民宿うり坊」とその周辺の急傾斜地

 

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野②)

 今年度の教育課程研究指定校事業  地理歴史科(歴史分野)で設定した単元「歴史の扉を開けよう」(全5時間)の第二時の授業について報告させていただきます。本単元の【基軸となる問い】「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」第二時の授業の【本時の問い】は「他者が述べる「答え」を比較しよう」です。

 本校の2年生でも同様の単元で学習を行っており,2年生は学校再開時の6月上旬に第一時の授業を実施しました。その後夏季休業直前と休業期間中に各自で本単元第三時の学習「史資料に触れよう」,2学期になって第四時「情報を共有しよう」,第五時「「問い」への「答え」を出そう」でレポート作成を行い,この単元の最終として,第二時「他者の述べる「答え」を比較しよう」という順で本単元5時間分の実践を終えています。

 3年生に実施した第二時の授業では,2年生が作成した中から選ばれた3つのレポートを3年生が読み比べ,それぞれのレポートの着眼点の違いを比較しました。合わせて第一時の授業で自分たち3年生が予測した内容とも比較しました。

 授業の後半では,同じテーマで課題研究を実施してもレポートの内容に異なる点が複数出てくるのはなぜか,を考えました。一次資料となる史資料を作成した当時の記録者の意図,後の時代にそれを活用する歴史家や教師等の問題意識の差異,また学習者(生徒)自身の問題意識の差異など,記述の差異をもたらす要因が複数ある中で歴史の記述がなされている,ということを理解するのは生徒たちには少し難しそうでしたが,自分たちの実生活,つまりある現象に対して人それぞれ興味の度合いや捉え方が異なるということに置き換えることで納得できたようでした。こうした歴史の記述の特徴を踏まえて「歴史を理解すること」とはどういうことかを考えました。

 今回の授業は歴史学習の本質に迫る内容であり,生徒たちも「歴史を理解すること」を自分の言葉で表現するのは難しかったようですが,熱心に本授業に取り組み,思考している姿を見ると,歴史を学ぶ意義について各々が感じ取ることができたのではないかと思います。

 次回は2年生が取り組んだ本単元第三時の授業「史資料に触れよう」の様子について報告させていただきます。

前回の授業で各班が考察した内容を共有しました。
①19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。(赤字)
②徳島が変化したのはなぜか。(青字)

2年生のレポートを3年生が読み比べて気づいたことをワークシートに記入し,皆で共有しました。

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野①)

 今年度から新規で教育課程研究指定校事業を受け(前回から合わせると3年目の取組となります),地理歴史科の新しい授業実践の機会をいただくことになりました。今年度の実践をホームページにて定期的にご報告させていただきます。

 去る9月24日にはオンラインでの「世界史A」研究授業を実施しました。この日の授業を含む単元として「歴史の扉を開けよう」(全5時間)を設定しました。これは現行課程「世界史A」(1)世界史へのいざない イ 日本列島のなかの世界と歴史 の学習内容に位置づけられます。なお本校では「世界史A」「日本史A」の共通する学習項目については地理歴史科の担当者が共同で授業づくりを行っており,本単元の内容は現行課程「日本史A」においては(1)私たちの時代と歴史 に位置づけられます。また新課程「歴史総合」A歴史の扉(1)歴史と私たち を見据えたものになっています。

 本単元を貫く【基軸となる問い】を「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」に設定し,第一時となるこの日の授業では【本時の問い】「「問いへの「答え」を導くのに必要なのは,どのような史資料か。」について学びました。デジタルアーカイブを活用して江戸時代の古地図から徳島の繁栄の鍵を握る“ある産物”(皆様も予測してみてください)の物流について読み取ったり,19世紀末を境に徳島に変化をもたらした原因を世界の動向にまで広げて予測して関係しそうな史資料を読み取ったり,と様々な史資料から「問い」への考察を行いました。

 盛りだくさんの内容でしたが,生徒たちはこれまで学んできた知識をもとに史資料の読解や必要となりうる史資料の予測に熱心に取り組みました。生徒たちから出てきた意見はどれもよく考えられており,なるほど,と感心するものでした。

 今年度はグループワークを実施しにくい状況にはありますが,生徒たちは他の人と一定の距離を保ちながら短い意見交換の時間で交互に意見を出し合うなど,周囲に配慮しながら可能な範囲で他者との協働的な問題解決学習を楽しんでいます。

 今回の研究授業,また教育課程研究指定校事業全般にわたって今年度も文部科学省から大森淳子調査官,中島則夫調査官,藤野敦視学官,鳴門教育大学から梅津正美教授,伊藤直之准教授,徳島県教育委員会から寒川由美指導主事のご指導をいただくとともに,たくさんの方々からご協力をいただいて授業実践を継続できています。厚くお礼を申し上げます。また今回の研究授業では日本各地からたくさんの先生方にご参観いただき,感想等のコメントも多く寄せていただきました。先生方からいただいた声を今後の授業づくりに反映させていきたいと思います。ありがとうございました。次回はこの授業の続きとなる本単元第二時の授業について報告させていただきます。

授業風景 

研究協議(文部科学省の先生方はオンラインで参加されました)

 本時の学習指導案
令和2年度 教育課程研究指定校事業 研究授業 地理歴史科(世界史A)学習指導案【歴史総合を見据えた授業実践】.docx

令和2年度教育課程研究指定校授業(校内公開授業)

7月1日,文部科学省から指定を受けて本校が3年前から取り組んでいる教育課程研究指定校事業(地理歴史科)の一環で地理総合を見据えた地理B(3年生)の校内公開授業会を行いました。次期学習指導要領から必履修科目となる「歴史総合」・「地理総合」を踏まえ,本校の生徒に身につけてほしい「歴史的また地理的な見方・考え方」や「現代社会の諸課題に向き合う力」を引き出す授業を行いました。コロナ渦の中で,アクティブラーニングなどが実施できない状況の中で,思考力を高める問いの工夫,一人一枚のホワイトボードの活用,思考力の変容を見取るワークシートの工夫など,試行錯誤を行いながら授業実践を行いました。計2時間の授業実践では,徳島県教育委員会指導主事の寒川先生をはじめ,20名を超える先生方が参観し,多くの貴重な意見や感想をいただきました。今後も,このような機会を積極的に設け,新必履修科目「歴史総合」・「地理総合」の各単元構想や授業づくりに臨みたいと思います。

令和元年度教育課程研究指定校事業報告と今年度の事業計画

本校では平成30年度より2年間,文部科学省から教育課程研究指定校事業(地理歴史科)の指定を受けて,新課程「歴史総合」「地理総合」を見据えた「歴史的な見方や考え方」や「地理的な見方や考え方」を育成する授業実践に取り組んできました。この間の実践内容,研究成果と課題をまとめた最終報告をさせていただきます。

今年度,新規で教育課程研究指定校事業の指定を受け(継続3年目),さらに2年間の実践を続ける機会を得ました。昨年度までの実践の課題を踏まえ,地理歴史科各科目の「見方・考え方」を踏まえた科目相互の連携,「問い」を重視した評価の研究,電子黒板を活用した教科横断型授業の促進等の実践を進めたいと考えています。

前回の教育課程研究指定校事業では,関係機関の皆様からの多数のご助言や,日本各地で先進的な授業実践に取り組まれている学校への訪問の機会をいただきました。今年度からの2年間も引き続きご指導をお願いいたします。

令和元年度研究成果最終報告書(徳島県立脇町高等学校).docx

令和元年度研究成果最終報告スライド(徳島県立脇町高等学校).pdf