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教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野①)

 今年度から新規で教育課程研究指定校事業を受け(前回から合わせると3年目の取組となります),地理歴史科の新しい授業実践の機会をいただくことになりました。今年度の実践をホームページにて定期的にご報告させていただきます。

 去る9月24日にはオンラインでの「世界史A」研究授業を実施しました。この日の授業を含む単元として「歴史の扉を開けよう」(全5時間)を設定しました。これは現行課程「世界史A」(1)世界史へのいざない イ 日本列島のなかの世界と歴史 の学習内容に位置づけられます。なお本校では「世界史A」「日本史A」の共通する学習項目については地理歴史科の担当者が共同で授業づくりを行っており,本単元の内容は現行課程「日本史A」においては(1)私たちの時代と歴史 に位置づけられます。また新課程「歴史総合」A歴史の扉(1)歴史と私たち を見据えたものになっています。

 本単元を貫く【基軸となる問い】を「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」に設定し,第一時となるこの日の授業では【本時の問い】「「問いへの「答え」を導くのに必要なのは,どのような史資料か。」について学びました。デジタルアーカイブを活用して江戸時代の古地図から徳島の繁栄の鍵を握る“ある産物”(皆様も予測してみてください)の物流について読み取ったり,19世紀末を境に徳島に変化をもたらした原因を世界の動向にまで広げて予測して関係しそうな史資料を読み取ったり,と様々な史資料から「問い」への考察を行いました。

 盛りだくさんの内容でしたが,生徒たちはこれまで学んできた知識をもとに史資料の読解や必要となりうる史資料の予測に熱心に取り組みました。生徒たちから出てきた意見はどれもよく考えられており,なるほど,と感心するものでした。

 今年度はグループワークを実施しにくい状況にはありますが,生徒たちは他の人と一定の距離を保ちながら短い意見交換の時間で交互に意見を出し合うなど,周囲に配慮しながら可能な範囲で他者との協働的な問題解決学習を楽しんでいます。

 今回の研究授業,また教育課程研究指定校事業全般にわたって今年度も文部科学省から大森淳子調査官,中島則夫調査官,藤野敦視学官,鳴門教育大学から梅津正美教授,伊藤直之准教授,徳島県教育委員会から寒川由美指導主事のご指導をいただくとともに,たくさんの方々からご協力をいただいて授業実践を継続できています。厚くお礼を申し上げます。また今回の研究授業では日本各地からたくさんの先生方にご参観いただき,感想等のコメントも多く寄せていただきました。先生方からいただいた声を今後の授業づくりに反映させていきたいと思います。ありがとうございました。次回はこの授業の続きとなる本単元第二時の授業について報告させていただきます。

授業風景 

研究協議(文部科学省の先生方はオンラインで参加されました)

 本時の学習指導案
令和2年度 教育課程研究指定校事業 研究授業 地理歴史科(世界史A)学習指導案【歴史総合を見据えた授業実践】.docx