はじめに
本校では、「知識・技能」の定着に加え、生徒が学びを実生活や探究場面で活用できる「コンピテンシー」の育成を重視しています。その実現のために、生成AIを授業設計の補助として活用し、短時間で「コンピテンシー育成型」の授業案を作成できる仕組みを整えました。
1.このプロンプトからできること
生成AIを用いることで、教員は授業づくりをゼロから始めるのではなく、必要事項を入力するだけで、次の要素をそろえた授業案(50分想定)をまとめて作成できます。
2.本校が大切にしているポイント
ポイントは、育てたい力を多く並べることではなく、「この授業で特に伸ばす力」を明確にすることです。本校では、INTEGRATORの10項目(創造力、課題発見力、協働力、評価・分析力、情報収集力、表現力、主体性、倫理的思考力、整理・自己調整、問題解決力)を共通言語として用い、各授業で 育てたいコンピテンシーを1つに絞って設計しています。
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1授業で扱うコンピテンシーを1つにする
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「活動」ではなく「行動」を設計する
3.生成AIの位置づけ
生成AIは「正解を作る道具」ではなく、授業設計や学習の中で 比較・検証・改善を促す相手として活用します。授業案の作成や学習活動の提案においては、次の観点を必ず含めるよう校内で共通化しています。
4.校内研修での活用
校内研修では、各教科が同じ枠組みで授業案を作成し、持ち寄って検討します。これにより、教科の違いを越えて「目標―活動―評価―観察」のつながりを点検でき、授業改善の共通基盤ができます。
5.他の学校でも活用可能なところ
本取組は特定教科に依存せず、「単元授業をコンピテンシー育成型に再設計する」ための汎用的な枠組みです。教科・学年・単元を変えても同様に適用できるため、授業改善や教員研修の共通ツールとして活用できます。
<本校でのプロンプト例>
私は高校の【科目】で【単元】を教える授業を計画しています。
この授業を、「知識・技能」の習得に加えて、生徒の「コンピテンシー」を育てる形にしたいです。
下のINTEGRATOR 10項目から、私の授業で特に育てたい力を【1つだけ】選びます。
各項目の説明と教科ヒントを参考に、選定理由も述べてください。
1. Inventing(創造力):新しいアイデアや方法を生み出す。既存知識の再構成。〈ヒント:芸術/探究/課題研究/理科の発展課題〉
2. Navigating(課題発見力):現象や資料から問いを立て、学びの道筋を描く。〈ヒント:地歴公民/総探/理社の導入〉
3. Teaming(協働力):役割分担・相互支援で成果を出す。〈ヒント:英語のペア活動/理科の実験/体育のチーム戦略〉
4. Evaluating(評価・分析力):情報・データを批判的に比較し、根拠で判断する。〈ヒント:数学のデータ/理科の実験考察/現代文の論証〉
5. Gathering(情報収集力):必要情報を探索・取捨選択し、信頼性を見極める。〈ヒント:国語の資料読解/地歴の一次資料/情報科〉
6. Representing(表現力):文章・口頭・図表・スライド等で明確に伝える。〈ヒント:国語/英語/プレゼン/理社のレポート〉
7. Agency(主体性):目標設定・選択・やり抜く姿勢。〈ヒント:課題研究/作品制作/自学計画〉
8. Thinking ethically(倫理的思考力):人・社会・環境への影響を踏まえた判断。〈ヒント:地歴公民/情報モラル/理科のELSI〉
9. Organizing(整理・自己調整):計画・進捗管理・情報整理で学びを最適化。〈ヒント:ノート術/探究手順/長期課題の管理〉
10. Resolving(問題解決力):仮説→試行→検証で解決策を導く。〈ヒント:数学の問題解決/理科の探究/技術家庭の制作〉
【私が選ぶコンピテンシー】:
▶︎ 選択:[ ]
▶︎ その理由(この単元とどう結び付くか):[ ]
【出力してほしい内容】
1. 授業目標(知識・技能/選んだコンピテンシーの両面で、各2〜3行)
2. 授業の流れ(50分想定:導入・展開・まとめの時間配分つき)
3. 生徒の学習活動(具体的な手順・教師の問い/ICTまたは生成AIの活用例があれば)
4. 評価方法(観点別評価と選んだコンピテンシーの対応/簡易ルーブリック4段階)
5. 観察ポイント(授業中にそのコンピテンシーが表れている行動の例)
【前提】
- 学習指導要領に沿って、知識・技能等の観点別評価と資質・能力を統合してください。
- 生成AIの活用は、出典確認・比較検討・プライバシー配慮を含めて提案してください。
- 出力は箇条書きで簡潔に。教科横断でも応用できる表現を優先させてください。
令和7年6月「授業研究週間」で、以下の教科で授業開発をし、教材開発を行いました。今回は5名の教員が先行実践しましたが、10月には教員全員がコンピテンシーを意識した授業作りに取り組みます。
このたび、内閣府 RESAS(地域経済分析システム)公式サイトにおいて、脇町高等学校の探究活動の取組が【実践事例】として紹介されました。
掲載ページはこちら → RESAS 教育版 実践事例ページ
本校では、地域の課題を科学的視点から捉え、データに基づいた仮説検証や政策提案を行う探究活動を推進しています。今回の掲載は、そのような生徒の主体的な学びと、本校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)としての教育実践が評価されたものです。
記事では、RESASを活用して「地域の未来」をデータで可視化し、生徒が地域を深く理解しながら課題を発見し、生成AIも活用しながら科学的な手法で解決策を導くプロセスが紹介されています。
今後も本校は、文理融合・データサイエンス・地域連携の視点を大切に、生徒一人ひとりの探究心を育みながら、地域社会に貢献できる人材の育成をめざしてまいります。
SSH、課題研究、RESAS、地方創生
2年生物理の授業で実施した英語でのチーム・ビルディング「マシュマロ・チャレンジ」の教材です。振り返りの一部まで英語で実施しました。海外研修(台湾)での協働実験を想定した教材をアレンジしています。
マシュマロ・チャレンジ(英語).pdf
Sコースによる課題研究ではMicrosoftOffice365サービスを用いて日常的な指導を行っています。ここではTeamsによる課題管理やフィードバックとファイル共有によるスライド指導を紹介します。
①ミニ課題研究におけるTeams課題管理

・課題を配布し、ルーブリックを掲示します。
・ルーブリックに基づき、評価を行い、コメントによるフィードバックを行います。
・課題の提出管理が容易であり、複数の担当者が確認できます。
②OneDriveによるファイル共有

・生徒作成の発表用スライドをグループ内及び担当教員とOneDriveにより共有します。
・生徒は各端末で同時に編集可能で、随時更新することができます。
・担当教員はスライドにコメント機能で、いつでもアドバイスを行うことができます。
2、3年生Sコースでは毎週木曜日3時間連続で学校設定科目「探究科学」として文系・理系関係なく、課題研究に取り組んでいます。ここでは探究科学のオリエンテーションとミニ課題研究について紹介します。本校では個人でミニ課題研究を行ったあと、グループで各テーマを設定し、課題研究に取り組む流れとなっています。
以前に作成した実験レポートについても掲載します。参考にしてください。
1年生が実践する「SW-ingリサーチ ローカルアクト」では,本校が独自に開発した「SW-ing教材」を活用して,課題研究に取り組むための基礎力を育成します。
今回は,情報を整理するためにシンキングツール(バタフライチャート)を活用する教材です。
情報を整理することで、思考を深めたり、議論のポイントを焦点化するなどの習慣を育成します。
1年生が実践する「SW-ingリサーチ ローカルアクト」では,本校が独自に開発した「SW-ing教材」を活用して,課題研究に取り組むための基礎力を育成します。
今回は,根拠のない情報に惑わされないために、事実と意見を区別するための教材です。
図や文章など、さまざまな試料を用いて、事実なのか意見なのかを意識する習慣を育成します。
1年生が実践する「SW-ingリサーチ ローカルアクト」では,本校が独自に開発した「SW-ing教材」を活用して,課題研究に取り組むための基礎力を育成します。
今回は,CMなどで日常的に用いられる数字をどのように捉えるのか考えるための教材です。
「〇〇%の人が痩せました。」などの数値は、いつ、誰が、どのような方法でデータ化したのか,考える習慣を育成します。