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地理歴史科

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野②)

 今年度の教育課程研究指定校事業  地理歴史科(歴史分野)で設定した単元「歴史の扉を開けよう」(全5時間)の第二時の授業について報告させていただきます。本単元の【基軸となる問い】「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」第二時の授業の【本時の問い】は「他者が述べる「答え」を比較しよう」です。

 本校の2年生でも同様の単元で学習を行っており,2年生は学校再開時の6月上旬に第一時の授業を実施しました。その後夏季休業直前と休業期間中に各自で本単元第三時の学習「史資料に触れよう」,2学期になって第四時「情報を共有しよう」,第五時「「問い」への「答え」を出そう」でレポート作成を行い,この単元の最終として,第二時「他者の述べる「答え」を比較しよう」という順で本単元5時間分の実践を終えています。

 3年生に実施した第二時の授業では,2年生が作成した中から選ばれた3つのレポートを3年生が読み比べ,それぞれのレポートの着眼点の違いを比較しました。合わせて第一時の授業で自分たち3年生が予測した内容とも比較しました。

 授業の後半では,同じテーマで課題研究を実施してもレポートの内容に異なる点が複数出てくるのはなぜか,を考えました。一次資料となる史資料を作成した当時の記録者の意図,後の時代にそれを活用する歴史家や教師等の問題意識の差異,また学習者(生徒)自身の問題意識の差異など,記述の差異をもたらす要因が複数ある中で歴史の記述がなされている,ということを理解するのは生徒たちには少し難しそうでしたが,自分たちの実生活,つまりある現象に対して人それぞれ興味の度合いや捉え方が異なるということに置き換えることで納得できたようでした。こうした歴史の記述の特徴を踏まえて「歴史を理解すること」とはどういうことかを考えました。

 今回の授業は歴史学習の本質に迫る内容であり,生徒たちも「歴史を理解すること」を自分の言葉で表現するのは難しかったようですが,熱心に本授業に取り組み,思考している姿を見ると,歴史を学ぶ意義について各々が感じ取ることができたのではないかと思います。

 次回は2年生が取り組んだ本単元第三時の授業「史資料に触れよう」の様子について報告させていただきます。

前回の授業で各班が考察した内容を共有しました。
①19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。(赤字)
②徳島が変化したのはなぜか。(青字)

2年生のレポートを3年生が読み比べて気づいたことをワークシートに記入し,皆で共有しました。