SSH 生徒の活動

生徒の活動

令和2年度 第1回SW-ingアカデミー 

演 題:「新聞記者から見たデータサイエンスの将来」
実施日:令和2年6月30日(火)
講 師:日本経済新聞社編集局データ報道部次長 黄田和宏 氏(平成8年卒)
対 象:全生徒 554名

 

 SW-ingアカデミーでは,最新の知識に触れ,学習や進路選択に対する意欲を喚起するため,各分野の最先端で活躍されている専門家による講演会等を実施します。

 

第1回のSW-ingアカデミーは,本校の卒業生でもある黄田和宏 氏を講師に,各教室の電子黒板とzoomを活用しリモート形式で行いました。
 講演では,コロナ感染症に関する最新のデータや,マスメディアによる世論のミスリードの事例,脇町と全国のマクドナルドの時給の比較,AIを活用した文書解析などのお話を進路選択も踏まえながらしていただきました。
 講演後の質疑応答では,生徒から「どのようなプログラミング言語がいいのか」「プログラミングをごのように学べばいいのか」などの質問に,予定時間を超えてご対応いただきました。
 Society5.0社会を生きる上で,データサイエンスやプログラミングは文系・理系問わず必要なスキルであることを学ぶことができました。

 

生徒感想(一部抜粋)
・データサイエンスは,理系分野だけでなく,文系分野においても影響力を持つのだと思った。IT社会の中で,文系の職種は立場がないと思っていたけど,目的を持ってデータサイエンスやプログラミングを学べば,新しい領域を開けるのだと希望を持てた。
・「将来の職業は絶対これ!!」と決めていたけど,データサイエンスを活用する仕事に就くのも楽しそうだと思いました。

 

【SW-ingチャレンジ】海外ボランティア体験記

 2019年12月20日~12月25日の5泊6日の間,髙井さん(3年)と難波さん(3年)がカンボジアでのボランティア活動に参加しました。その体験を振り返ってもらいました。

 

【カンボジアでのボランティア活動に参加したいきさつを教えてください。】

難波さん 外国の文化などに興味があり,3年生になる前に海外に行けないか考えていました。そこで,今までも積極的にアメリカやオーストラリアでの研修旅行に参加している高井さんに相談したことが始まりです。

髙井さん 難波さんの相談を受けて,私自身も行きたいという気持ちが高まりました。そして,現地の人々と深く接して文化や習慣を学ぶには,ボランティア活動がもっともいいのではないかという結論に達し,2人で海外ボランティアに参加することにしました。

難波さん カンボジアにしたのは,カンボジアでのボランティア活動に参加した部活動の先輩の影響です。

 

海外でのボランティアに不安はなかったですか。】

髙井さん 私自身は全くなかったです。親も,「荷造りなど自分でやるべきことをきちんとするなら構わない。」と許してくれました。

難波さん 最初は不安でした。両親も心配しており,毎日連絡することを条件に許してくれました。特に出発の2日前に発熱したときは,「やめようかな。」という気持ちが一瞬頭をよぎりましたが,「この機会を逃してカンボジアに行かないと絶対に後悔する。」という気持ちが勝りました。

 

【カンボジアはどんな国でしたか。】

難波さん アンコールワットの修繕や現地の病院の建設に多くの日本人が携わっていることや,英語は話せなくても日本語を話せる人がいるなど,日本との結びつきが強い国だと思いました。また,ナイトマーケットでは,現地の人をまねて初めて値切り交渉をしました。人と人との触れ合いが日本よりも多い国という印象です。

髙井さん バスの移動中に,あちこちで修業をしているお坊さんを見ました。生活と宗教が強く結びついていると感じました。また,カンボジアの人はとても優しくフレンドリーでした。空港で迷ったときに助けてくれた人の笑顔がとても印象に残っています。しかし,内戦による爪痕が生々しく街のあちこちに刻まれている国でもありました。カンボジアの歴史などについて事前に本などを読んで勉強していたのですが,実際に現地で見た光景はとても衝撃的で,日本に帰国してからも平和について考えさせられました。

 

【今回の経験を通して何を学びましたか。】

難波さん 児童施設や小学校での子どもとの交流が,主なボランティア活動でした。子どもたちと,風船や折り紙など日本の伝統的な遊びに取り組みました。また,カレーを一緒に作ったり,学校周辺のゴミ拾いなどを行いました。子どもたちは,とても人懐こく,元気いっぱいで,とても充実した時間となりました。しかし,校舎の電球は灯っておらず薄暗い教室の中,ぼろぼろの教科書やノートで勉強していました。かばんもビニール袋で,半分はサンダル半分は裸足など,環境は決して整ってはいません。学校の外でも,地雷の注意を促す案内があるなど,内戦による傷跡は町のいたるところに見受けられました。ユネスコの調査によると,内戦など様々な事情で約3億人の子どもが学校に通えていないそうです。今まで,普通に授業を受けていることを当たり前と思っていましたが,勉強ができるのは本当に恵まれていることと気づかされました。今自分にできることは,多くありません。だからこそ,一生懸命勉強し自分を成長させて,よりよい世界になるよう努力できる大人になりたいと思うようになりました。

髙井さん 小学校での活動の最後に,日本から持ってきたプレゼントを子ども達に渡しました。子ども達はとても喜んでくれたのですが,プレゼントを包んでいた包装を無造作に投げ捨てていました。少し前に,一緒に学校周辺の清掃活動のボランティアをしたばかりだったのでとても驚き,そして,「本当に今回のボランティアはこの子たちのためになったのだろうか。」という疑問が浮かびました。それまでの私は,ボランティアを企画運営している人たちの指示の通りに動くことが大切だと考えていました。でも,今回のこの体験を通して,ただ言われたとおりにボランティアに参加するのではなく,何が現地の人のためになるのか,自分自身でもっと考えた上でボランティアなどのアクションをおこす必要があるのではないかと思うようになりました。これから,もっと知識や行動力を身につけ,本当に現地の人のためになるアクションがおこせるような人になりたいと思います。

 

次の目標を教えてください。】

髙井さん 世界はとても広く価値観や文化も多様です。その多様性をもっと知りたいのでいろいろな国に行こうと思っています。現時点で興味があるのは,トルコやウズベキスタンです。でも,まずはもう一度カンボジアに行きたいです。

難波さん 外国に行くとき必要なのは,その国の言葉を話せることでなく,話せなくても話そうと積極的にコミュニケーションをとろうとするガッツだとわかりました。言葉が通じなくてもなんとかなります。次は,アメリカにでも行ってみようと思っています。また,事前に調べて想像していたカンボジアと実際に見たカンボジアは大きく異なっていて,そのギャップにとても驚きました。勇気をもって一歩を踏み出すと本当に新しい発見があるので,多くの人に海外へ出て行くことを勧めたいと思っています。