地理歴史科教育課程研究指定校事業 2学期の授業実践報告
地理歴史科は文部科学省から指定を受けて教育課程研究指定校事業に取り組んでいます。2学期も次年度から始まる「地理総合」「歴史総合」を見据えた様々な授業を実践してきました。主な取組を報告します。
①「歴史総合」を見据えた授業 新課程大項目B(3)近代化と私たち をもとに作成した単元(8時間構成)
9/22 オンラインによる第7時の研究授業(文部科学省の先生方をはじめ,申込みをいただいた全国の先生方にご参観いただきました)
今年度は3年生地歴A科目の授業で「近代化と私たち―国民国家の形成―」と題した単元の授業を,1,2学期をかけて実践してきました。9/22の研究授業では,第6時までの学習+自分たちの研究に基づいて「国民国家形成の理由」を各グループが発表しました。発表を通じてさらに広い視野で「国民国家とは何か」,「自分たちの現在の生活にどうつながるか」を考えることができました。
②「歴史総合」を見据えた授業 身近な資料に触れ,意欲的に読解する 校誌『芳越』の読み取り
11月の3年生地歴A科目の授業で,大正期の本校の校誌『芳越』を読みました。約100年前の自分たちの直接の先輩が当時の社会をどのように捉えていたのかを知ることができました。「共感」「違和感」を感じながら,少々難しい表記に苦しみつつも,楽しみながら読むことができました。
③「歴史」「地理」の枠組みを超えた地理歴史融合型授業 その1
10/19 校内研究授業 新課程大項目A「歴史の扉」に基づく単元
1,2学期をかけて2年生日本史Bの授業では,「歴史の扉を開けよう」(昨年の2年生も実施)と題して,藍を軸にした徳島の歴史についての研究を行いました。今年度は地歴融合の観点を強めて,古地図や文献資料はもちろんのこと,国土地理院の地図や今昔マップ等,地理の学習で用いられるデジタルデータも活用して学習を進めました。資料を皆で分担しながら読み取り,複数の情報を共有し,地理と歴史の結びつきを改めて体感できました。
④「歴史」「地理」の枠組みを超えた地理歴史融合型授業 その2
11月の3年生地歴A科目の授業で,インダス文明について学習しました。「地形」「気候」「他地域とのつながり」「自分たちの生活のつながり」など,時空間を超えて様々な視点から捉えることができました。この授業は,校内遠隔授業で行いました。地理担当の松岡先生がインダス文明の歴史の授業を各クラスに配信し,他の地歴科教員がサポートとして各クラスに入りました。途中で画面や音声が途切れるアクシデントもありましたが,臨機応変に対応して無事に授業を実施できました。
⑤「地理総合」を見据えた授業 新課程大項目A 地図や地理情報システムで捉える現代社会 をもとに作成した単元(8時間構成)
12/16 第6時の研究授業(文部科学省の先生方にご参観いただきました)
2学期から2年生地理Bの授業で実に多数の地図や地理情報システムを活用した授業を実践しています。研究授業では,「グローカルって何だろう」というテーマで新型コロナウィルス感染拡大を人流という視点から捉え,リアルタイムの人の移動を画面上で確認して情報を読み取り,感染拡大との関連性について考察しました。
2/4にオンライン開催される教育課程研究指定校事業研究協議会では今年度の取組,そして本事業に関わらせていただいた4年間の歩みを報告します。当日用いる資料は事前に本校HPにて掲載しますので,ご覧ください。
今年度も文部科学省,鳴門教育大学,徳島県教育委員会の先生方をはじめ,多くの関係者の方々に支えられて実践を行うことができています。3学期も新課程の教育活動を見据えた主体的な学習を実践していきますので,引き続きご協力をよろしくお願いします。
授業の様子
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