地理歴史科

教育課程研究指定校事業 地理歴史科 に関する実践報告(歴史分野③)

 今年度の教育課程研究指定校事業  地理歴史科(歴史分野)で設定した単元「歴史の扉を開けよう」(全5時間)の第三~五時の授業について,本校の2年生日本史Bでの実践を報告させていただきます。

本単元【基軸となる問い】「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」

  第三時の授業【本時の問い】「史資料に触れよう」

  第四時の授業【本時の問い】「情報を共有しよう」

  第五時の授業【本時の問い】「「問い」への「答え」を出そう」

 第三~五時の授業は夏季休業中~9月にかけて実施しました。2年生での実践にあたり,高校で地歴を習い始めてまだ間もないことも考慮して,探す史資料のテーマを5つに絞ることにしました。5つのテーマを役割分担し,「個人による史資料読解,レポート作成」(第三時)→「同じテーマを調べた者同士での共有,グループとしてのレポート作成」(第四時)→「出揃った5つのテーマのレポートを踏まえて,徳島の変化について自分でまとめる」(第五時)という手順で学習しました。

<5つのテーマ>

①17~19世紀(江戸~明治前半)の徳島の「藍」のことが分かる史資料

 A 江戸時代,誰が何のために藍を作らせたのか?

 B 徳島(の一部のみ?)では,なぜ藍づくりが可能なのか?

 C 藍はどのように,どうやって運ばれたのか?

②19世紀末以降(明治時代後半以降)の日本や世界と,徳島の関係について分かる史資料

 A 明治時代になると,藍をめぐって徳島のライバルが出現!?

 B 明治時代になると,物流の仕組みが変わる?

 史資料読解に際しては,本校図書室の図書に加えて,徳島県立図書館の図書もお借りすることができ,約50冊の図書を活用できました。またインターネットを活用してデジタルアーカイブや大学教授の論文なども参考にして思考を深めました。

「19世紀末から徳島にはどういう変化が起こったのか。それはなぜか。」という壮大な問いに対して,史資料を提供してくださった方々,一緒に研究を進めた級友,そして生徒自身の力が合わさることで,生徒たちはその「答え」を自分なりに理解できたようです。歴史は遠い過去のものではなく今の自分たちにつながっているものである,ということをこの単元学習から実感できたのではないでしょうか。まずは自分の身近にある歴史から,興味をもって学んでみましょう。

 通常の授業の中でも教科書等に掲載されている多様な史資料の読解に生徒は熱心に取り組んでいます。3学期も「なぜ?」と疑問を持ち,史資料から考え,思考し表現する機会をたくさん持って歴史を学んでくれることを期待しています。