SW-ingゼミ「京都大学訪問研修」
2025年8月25日 13時02分日 時:令和7年8月18日(月)~8月19日(火)
場 所:京都大学理学部6号館他
講 師:京都大学大学院 理学研究科附属 サイエンス連携探索センター
常見 俊直 准教授
T A :廣瀬孝介、仲俣翔登、藤野大基、伊藤響、溝畑諒人、穐山拓実
参加者:Sコース2年生 31名
本校SSH運営指導委員でもある京都大学常見俊直准教授のご協力の下、京都大学での研修を実施することができ、Sコース2年生31名が参加しました。
初日はメンバーの紹介の後、常見准教授から「色」の仕組みや太陽光のスペクトルなどの講義をしていただきました。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いた野菜などの色素分離実験の研修を行いました。原理の説明や実験上の注意を受けた後、指定された野菜の色素分離を行いました。初めての実験方法に戸惑いながらもチャレンジし、慣れたところでグループごとに実験を計画し、結果によって追実験をするなど実験を繰り返しました。更に技術職員の方が液体窒素を使って低温状態での色素の様子を見せてくれたり、光を透かした状態での色を見せてくれたりと日頃経験できないよう貴重な体験をさせていただきました。
午後からは、実験の内容をまとめて発表準備を行いました。TAのみなさんの助言を聞きながら自分たちの行った実験の意味を考察し、より効果的に伝えるための工夫を時間ぎりぎりまで続けました。今回のプロジェクトでは、生徒たちが効果的でかつ効率的にプレゼンテーションを行うことを目的として、常見准教授ご指導の下CANVAや、Microsoft Copilotを活用しました。更に常見准教授の提案もあり、英語でのプレゼンテーションを行う班もありました。
宿舎に入ってからも、夜遅くまで各自のタブレットから発表資料をブラッシュアップし、研修中の疑問点をネットで検索したりまとめを工夫したりするなど、2日目の発表に向けての準備を行いました。また、英語でプレゼンテーションを自ら行う班もあり、この京都大学研修に意欲的に取り組もうとする気持ちがひしひしと伝わってきました。
2日目は、プレゼンテーションの最終仕上げを行った後、グループごとに発表を行い、TAのみなさんからの質疑に答えました。常見准教授からの実験手法は同じでも他のグループと重ならない独自のプレゼンテーションにしましょうという助言に応えて、生徒たちはバラエティに富んだ発表を行いました。更に、TLCの実験を現在本校で行っている課題研究のテーマにどう活かせるかということを考えた班も多く、それぞれが真剣に向き合った内容でした。発表の仕方やデータに対する考察の甘さについて指摘されることもありましたが、データ中の着目点を強調する工夫や、仮説を検証する有効な追加実験を提案するグループが多く見られました。最後の相互投票によって決定した最優秀のグループには、常見准教授から賞品が送られました。
専門的な助言を受けつつ「計画・実験・考察・発表」という探究活動の流れを経験したことで、その意義を深く実感することができました。加えて、追加実験を計画・実施する中で新しい知見を得たグループもあり、課題研究をより豊かにする貴重な経験を積むことができました。京都大学訪問研修は大変有意義なものとなりました。