SSH 生徒の活動

【SW-ingキャンプ】SSH台湾 現地研修

日 時:令和6年12月9日(月)~12月14日(土)
場 所:台湾(新竹市、台北市)
参加者:(本校)海外研修参加者18名 (徳島大学)村上敬一先生

令和6年12月9日(月)から14日(土)の5泊6日で、2年生18名(男子6名女子12名)の生徒が、グローバル社会で活躍する科学技術人材に必要な資質の向上を図るため、台湾研修に参加しました。なお、今回の研修は、徳島大学総合科学部教授村上敬一氏にコーディネーターとして同行していただきました。

1日目:(結団式)⇒関西国際空港⇒(台湾)桃園国際空港⇒夕食⇒ホテル

 初日は、結団式後に関空までバスで移動し、出国。桃園国際空港から台湾に無事入境。ツアーガイドさんに出会えてほっとしました。移動中のバスから見えたバイクの数の多さ、建物や看板、バスを降りた瞬間の街の雰囲気など、驚きの連続でした。夕食は、昭和スタイルのお店で客家料理をいただきました。  

【生徒の感想】

・飛行機で到着した時には海外に来たという実感が湧かなかったが、看板や標識が全て中国語で表記されているのを見てそれを強く感じた。今日は初めて海外での食事や宿泊を経験し、新しい体験をすることができた。また、日本との時差を感じる瞬間もあり、とても不思議だった。

・まず、台湾のバイクの多さに驚いた。予め、現地ガイドのふうさんから日本の100倍バイクが多いことを聞いていたが、実際目にすると想像以上に多かった。また、ナンバープレートは違うが日本の会社の車が多くて親近感を感じた。また料理は、初め見た目や味に衝撃を受けたが、とても美味しかった。

 

2日目:朝食⇒NEHS(国立新竹科学工業圓区実験高級中学)⇒国立陽明交通大学⇒夕食⇒ホテル

 NEHSでは歓迎行事の後、英語でのポスターセッションを行いました。グループごとに親睦を兼ねた昼食、球技大会の見学等の交流を経て、互いのアイディアを出し合って厚紙で作った構造物にビー玉を転がして時間と技術を競う協働実験(ペーパーローラーコースターコンテスト)に取り組みました。また、陽明交通大学では、日本人大学生の方々のお話をうかがい、「学ぶ」ということについて考えました。

【生徒の感想】

・印象に残っていることはNEHSでの出来事である。まず驚いたことの1つ目はNEHSの生徒たちの英語の流暢さである。詰まることなく流れるような英語にとても驚いた。ポスター発表では自分たちの発表に対しすごく興味を持って話を聞いてくれ、沢山の質問をしてくれた。質問をしてくれている際の楽しそうな感じや質問の内容の深さを考えるとやはり自分たちが思っているよりも海外の人がもつ日本への興味はとても大きいものであるのだと実感した。ペーパーローラーコースターコンテストではギミックの作成や組み立てなどを一緒に行った。英語は流暢に話せないが同じ作業をみんなで一生懸命に行うことで絆が深まり、終盤ではたくさんの笑顔が生まれた。コンテストを行っている際に感じた日本と海外の大きな違いは主張である。日本は海外と比べると主張をしない、周りと異なることを恐れ周りの意見に合わせようとする、とよく言われるが今日それが深くわかった気がする。日本で実際に本番を想定し作成した時はお互いの意見を待ち、結局YouTubeにあるそのままのものができた。しかし台湾に来て作成すると班員の全員がそれぞれに思う意見をぶつけ合い調整を沢山重ねていた。否定したり肯定したり、日本では考えられない光景であった。それによりリハーサルよりも早く正確により高い点数を獲得できた。海外に出て得た収穫は現時点でいくつもあるが、個々の主張の大切さを今日は学べた。

・陽明交通大の千年さんのお話では、台湾の大学のことや留学について、知ることができた。自分の興味のある話題にとらわれずに、様々な情報を取り入れることが未来の選択肢を増やす方法であり、まずは自分の価値観に従って、後先考えずに行動することも大切だということがわかった。海外留学や国外受験のハードルが下がって、興味を持つことができた。そして、自分を分析する(自分は何がやりたいのか、どうしてやりたいのか、何が苦手なのか、など)ことで、現状を知り、理想像とのギャップを埋めることが学習であり、しっかりと目標をもって、ポジティブ思考で行動することが成功の元だということを学んだ。

  

3日目:朝食⇒NEHS⇒昼食⇒君毅高校(苗栗縣私立君毅高級中学校)⇒台北市移動⇒夕食⇒ホテル

 NEHSでは、物理実験に取り組みました。偏光板の光の屈折を効果的に利用し、アクリル板の中心に1枚の仕切りがあるように見せて、その仕切りをボールが通過する仕組みを作ったり、ストローを使って音波の速度を測り、楽器を作成してグループで音楽を奏でたりしました。昼食は傅家生活小館で台湾料理を食べ、君毅高校へ移動しました。そこでは、歓迎行事、グループで「地震・災害」に関するディスカッション、言語学習をしました。

【生徒の感想】 

・君毅高校での交流で、災害のことについて話し合ったとき、文化や避難所の違いから意見の意図が理解しにくいことがあった。その際、質疑応答を通して互いの価値観を共有でき、とても有意義な時間を過ごすことができた。

・NEHSの方々と実験できて楽しかった。光の反射の実験やストローの演奏は大失敗だったけど頑張って吹いた。NEHSの方々とまた交流したいと思った。君毅高校の方々との交流も楽しかった。防災について意見交換できて、私も災害時に備えて準備を怠らないようにしたいと感じた。

   

4日目:朝食⇒故宮博物館⇒昼食⇒黄金博物館⇒夕食⇒ホテル

 故宮博物館と黄金博物館を訪れました。

【生徒の感想】

・今日故宮博物館に行った。世界四大博物館ということもあり多くの観光客がいた。故宮博物館には中国清代の宝物が多くあった。ヒスイでできた作品や大きな仏像、一本造りで作った塔、清代皇帝の生活様式などさまざまな作品があった。また、中国春秋時代や古代の作品もあった。漢字の元になった字を彫ってある皿もあり面白かった。龍をモチーフにした作品があったが当時の中国は身分によって作っても良い龍が決まっており皇帝は龍の指が5本だが、庶民は3本のものしか作れず、身分によって龍の指が変わっており面白かった。

・黄金博物館では、実際に金を採掘していた洞窟や採掘場の責任者が住んでいた家屋を見学した。採掘場で日本が台湾人を強制的に働かせていたという事実を風化させないようにするべきだと感じた。

 

5日目:朝食⇒幼華高校(台北市幼華高級中学校)⇒台北城市科技大学⇒夕食⇒ホテル

幼華高校では、歓迎行事の後、日本と台湾の違いについてグループでディスカッションをしました。城市科技大学へ移動後、昼食をとり、ロボット博物館やE-スポーツ教室を見学し、茶文化の体験もしました。その後、淡江大学の富田先生、台北大学の山口先生、城市科技大学の陳先生、施先生を囲んでの座談会を行いました。

【生徒の感想】

・今日は幼華高校にいき、高校生と交流した。みんな、僕たちに積極的に話しかけにきてくれてとても助かった。自分もこのような場面のときには自分からいけるようになりたい。台湾の人の話を聞くと、自分たち日本人とは違う話が多く、新しいことをたくさん知ることができた。

・座談会について。富田先生は弓道を長い間していないということでしたが、生徒が弓道についてたくさんの質問をした際に、思い出しながら丁寧に答えてくださって、ひとつひとつを疎かにしないことが、歴史の研究という分野にもつながっているのだと感じました。私は中国史に苦手意識をもっていたけれど、山口先生の、中国人のことを知ることは日本人のことを知ることだから学ぶべきなんだという話を聞いて、納得し、興味が沸きました。施先生はガイドから転職なさって先生になられたということで、話がお上手なのはガイドをしていたおかげでもあるのかと勝手ながら推測し、合わないと思って仕事をやめても、やってみたことに価値があり、身につくものがあるのだと思いました。陳先生には教育についてたくさんのことを教えていただき、台湾と日本の違いを感じることができました。台湾では生徒のメイクや染髪を禁止しない方針ですが、先生の立場からすると思うところがあるようで、どちらがよいのかというのは難しい話だと思いました。

・大学生と交流したのが1番楽しかった。みんな日本語が上手で自分も英語を少なからず応答ができるようにまで上達させたいと思った。

   

6日目:朝食⇒桃園国際空港⇒関西国際空港⇒脇町高校

 朝食後、桃園国際空港へ移動しました。航空機の遅延もほとんどなく、脇町高校への到着が22時30分頃となりましたが、無事に全員帰校しました。

 【生徒の感想】

・今日で台湾研修が終わった。日本と海外の性格の差、食文化の違い、価値観の違いを大きく学べた。長所、短所は各国それぞれにあり、今回交流したことでそれぞれを補完しあい、長所を取り入れてこれからの生活に活かして行きたいと思った。有意義な研修であったと思う。