アース製薬による出張授業「ヒトスジシマカの観察・生態・飼育と誘引実験」
2025年8月23日 13時59分日 時:令和7年8月21日(木)
場 所:本校地学教室およびオンライン
講 師:アース製薬株式会社 新価値創造本部:山田様、加藤様/研究部:有吉様、浅井様、瀬島様
参加者:1~2年生希望者 33名
内 容:
本校では、アース製薬株式会社と徳島県との包括連携協定に基づく理系人材育成支援事業として、「ヒトスジシマカの観察・生態・飼育と誘引実験」を実施しました。
まず最初に、兵庫県にあるアース製薬株式会社赤穂研究所 生物飼育室のバーチャル見学を行いました。この研究所は一般には公開されておらず、家庭に関わりの深い100種類を超える害虫を100万匹以上飼育する、国内最大級の研究施設です。オンラインで参加していただいた研究部の方から施設の説明を受け、大量のゴキブリの飼育室や、近年温暖化の影響で増加しているダニ、また飼育方法が確立されていない害虫を一から育てている様子を見学しました。休憩時間には、害虫の樹脂標本や吸血後のマダニの液体標本、本校で飼育しているマダガスカルゴキブリなどに触れ、生徒たちは興味津々で大いに盛り上がりました。
後半は、グループごとに配布されたヒトスジシマカの生体と簡易装置を用いた誘引・忌避実験を行いました。生徒たちは各自が用意した誘引・忌避効果がありそうなものを用い、実験プリントを活用しながら班で相談し仮説を立て、実験を進めました。各班の様子はタブレットで研究員の方に共有され、リアルタイムでコメントをいただきながら進めることができました。折り紙や保冷剤、歯磨き粉といった身近なものから、四国地方に伝わる民間薬(ホウセンカの焼酎漬け)まで、さまざまな工夫をこらした実験が行われ、研究員の方からは蚊の行動の理由や関連する物質について詳しい解説をいただきました。
最後には、虫よけ剤「はだまも」の効力試験や、本校OBで現在県安全衛生課に勤務されている方から、感染症予防だけでなく「ワンヘルス(One Health)」の考え方の大切さについてもご講話をいただきました。生徒たちにとって、今後の課題研究や進路を考える上で大変貴重な機会となりました。
■生徒感想
今回の授業を通して、害虫や感染症の研究が私たちの生活にどれほど関わっているかを改めて知りました。ヒトスジシマカの実験では、自分たちの発想をもとに仮説を立てて検証する過程が研究そのものであると感じました。また、研究員の方から詳しい解説をいただき、科学的に考えることの重要さを実感しました。将来、課題研究や進路を考える上で、この体験は大きな刺激になったと思います。
■メディア掲載情報
NHK https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20250821/8020023909.html
JRT四国放送 https://news.yahoo.co.jp/articles/e1918f4956baf62c2a989fda767bbcc84c18ad8e