SSH 生徒の活動

令和7年度 屋久島研修

2026年4月15日 18時00分

日 時:2026年1月5日(月)~8日(木)
参加者:生徒8名、引率2名
内 容:
 1年生の希望者から抽選で選ばれた8名(男子4名、女子4名)が3泊4日、世界自然遺産に認定された屋久島での研修に参加しました。今年度の研修テーマ「美しい自然との共生文化~科学技術と実生活の結びつき~」のもと、「事前研修 → 現地研修 → 事後研修」を通し、屋久島の地理的環境や植生などについて知識や理解を深め、環境保全に対する意識や学習意欲を向上させました。
※今年度は新しい取組みとして、研究班(3名)と研修班(5名)に分かれ事前研修を行いました。研究班は花酵母をテーマに課題研究を行い、研修班は個人テーマを設定し、4回の全体研修と個別研修ののち校内発表会を行いました。

1/5(月) 移動、鹿児島大学吉﨑研究室訪問
1/6(火) ジビエ加工場見学、猿川のガジュマル観察、本坊酒造見学、地域産業見学、星空観察
1/7(水) ヤクスギランド観察、西部林道観察、大川の滝観察、塚崎タイドプール観察、座学
1/8(木) 地域産業見学、移動

生徒感想:
「鹿児島大学吉﨑研究室訪問」

 本校卒業生の吉﨑先生が准教授を務める鹿児島大学を訪問し、研究室で課題研究の中間発表を行いました。緊張しながら発表を終えると、質疑応答では予想以上に多くの質問が寄せられ、うまく答えられない場面もありましたが、自分たちの課題を見直す良い機会となりました。今後の研究に向けて貴重な助言や気づきを得ることができたので、さらに努力していきます。
鹿児大 

「ジビエ加工場見学」
 ジビエ王国を訪れた際、運よくヤクシカの搬入に立ち会い、生まれて初めて解体を見学しました。命を奪うことへの複雑な思いを抱きつつ、環境への影響を考えると「可哀想」だけでは片付けられないと感じました。事前研修で学んだ徳島のシカの食害を踏まえ質問すると、屋久島との共通点や食性の違いを知ることができました。非日常の体験を通じ、自然と人との関わりを深く考える機会となりました。
ジビエ

「本坊酒造見学」
 2日目に訪れた本坊酒造では、焼酎の製造工程とウィスキーセラーを見学しました。焼酎は、麹が原料のデンプンを糖に分解し、酵母がアルコールへ変える過程で、微生物の働きが最も重要だと聞きました。酵母が酒造にも不可欠だと知り、私たちが研究しているソバや藍の花由来の酵母にも関係があり、一層興味がわきました。ウィスキーセラー見学では屋久杉の樽で仕込む構想も現在進んでいると聞き、完成した際にはぜひ味わってみたいと思いました。
本坊

「地域産業見学」
 武田館では屋久杉の加工工程を見学しました。屋久杉の加工には長い時間と高度な技術が必要だと知り、職人の手仕事に感銘を受けました。説明してくださった方の話はわかりやすく、屋久杉の特徴や希少性について楽しく学ぶことができました。今回の見学を通して、屋久杉は単なる木材ではなく、長い年月を生き抜いた自然の恵みであり、大切に守るべき存在だと感じました。
武田

「星空観察」
 冬の屋久島は空気が澄み、夜空には数えきれないほどの星が輝いていました。宿泊施設周辺は山に囲まれ街明かりが少ないため、一つ一つの星がはっきり見え、その美しさに感動しました。施設の方に星の撮影方法を教わり、カメラ設定を工夫して肉眼で見た感動を写真に残すことができました。静かな森の中、仲間と見上げた満天の星空は神秘的で、寒さを忘れるほど心に残る体験となりました。
星空

「ヤクスギランド観察」
 ヤクスギランドを訪れ、その壮大さに圧倒されました。数千年を生き抜いた屋久杉を目の前にすると、自分の悩みが小さく感じられました。切り株から木が生え、苔に覆われた緑の世界は力強く異世界のようでした。「小さな森」という言葉が浮かび、それらが集まり屋久島の自然を形づくっているのだと実感しました。深緑の植物が放つ生命力と、ゆったり流れる時間を肌で感じ、心が洗われる貴重な体験となりました。
ヤクスギランド

「西部林道観察」
 屋久島研修で訪れた西部林道では、豊かな自然を肌で感じました。林道周辺では鹿や猿が多く見られ、特に猿と子鹿が仲良く一緒にいる姿が印象的でした。一方で、鹿の増加による植生への影響も目の当たりにし、生態系のバランスを守る重要性を実感しました。事前研修で学んだ垂直分布を実際に確認できたことも貴重な体験でした。人の生活の痕跡も残るこの場所が世界自然遺産であることを学び、自然と人との共生について深く考える機会となりました。
西部林道

 「塚崎タイドプール観察」
 塚崎タイドプールを訪れた時、黒潮が屋久島の自然を形づくっていることを実感しました。タイドプールには黒潮に乗って流れ着いたサンゴの死骸や海外からの漂着物が多く、遠くの海と屋久島がつながっていることが分かりました。さらに、海外製のプラスチック製品や養殖いかだなどの漂流物から、人間の活動が自然に影響を与えている現状も目の当たりにしました。自然は閉じた存在ではなく循環していることを学び、身近な環境問題にも関心を持ちたいと思いました。
塚崎

研修を終えて:
 「ひと月に三十五日雨が降る」と言われる屋久島ですが、天候に恵まれ、全日程を予定通り実施できました。屋久島は日本列島の縮図ともいえる多様な植生を持ち、現地ではその神秘的な自然を五感で感じることができました。生徒たちは生物多様性や自然と人との共生について深く学び、屋久島の人々が自然に敬意を払い、未来へつなぐ姿にも感銘を受けていました。この研修を通じ、自然は守り継ぐべきものだという思いを強め、科学的知識の習得や、高校での学びに一層努力する決意を固めてくれました。
その他

SSH 屋久島研修 鹿児島大学 探究部 課題研究